ざしを しれる ばしょ

普段語られないざしの、一部

僕の夢は、

お母さんになること。

 

小学校に上がった時には

もう、心に決めていた。

でも「マセてる」と思われたくなかったから

周囲の大人達には「ケーキ屋さんになりたい」と

ありきたりなことを言う“子供”を演じた。

同級生からの理解も得られず

「お母さんなんて、誰でも大人になれば

なれるやんか。そんなん夢じゃないで!」

と言われたことがあるので

「あっコイツらみたいな馬鹿には

まだ早い話なのかこれは…」

と思った記憶がある。

当時、僕も周りも まだ6歳だった。

あの頃の僕は本当にマセていた。

マセていたというか、現実直視型だった。

 

夢は、21歳になった今でも変わらない。

誰かのお母さんになりたい。

日々、そう 強く思っている。

だから もう 男としか付き合えない。

やっぱ中学生の時に女の子と付き合えばよかったかも、と 思うくらいには 心残りである。

 

自分の半分と、

自分が大好きな人の半分だけで

出来上がった存在がこの世に誕生する。

なんて素敵で、なんて奇妙なビッグイベント。

そんな我が子を20年間愛し続けて、

世に放てたらなぁ と思う。

産まれる前から誰かを愛する、なんて

考えただけで幸せで涙が出そうになる。

 

たった一時なのは分かっているけれど、

僕は、その子の「すべて」になりたい。