ざしを しれる ばしょ

普段語られないざしの、一部

許す強さは、

本当に必要だと思う。

 

完璧主義な俺は常にアラがないように

完璧でいようと心がける。

時間は守るし報連相はしっかり、

先輩への媚び売りは怠らず

後輩への愛情も忘れず。

 

しかし、そんな俺も所詮は人間。

数え切れないほどの失敗をし

幾度となく人を傷つけた。

その都度“許してくれる人”に恵まれて

俺は今まで何不自由無く暮らせてきた。

 

にも関わらず。

 

俺は2度目の「ごめんね」にさえ

「いいよ」を返せない人間だった。

今思えば あれは些細なプライドと

ほんの少しの、いつもより張りすぎた意地。

大好きだったかつての親友とは

もう二度と元に戻れなくなってしまった。

“幼かった”と言ってしまえばそれまでだが

あの時の俺は、彼女に対して

確かな敵意を持ってしまっていた。

その敵意のせいで、

投げなくてもよかった言葉のナイフを

わざわざ投げたせいで、

彼女を傷つけてしまったの。

 

許さなくて正解だった、とも

俺だって傷ついたし、とも思うけど

でも心のどこかではいつも

「もし許してたら、何か変わったのかな」

って思っている。ずっと。

彼女と過ごした10年間は色を失い

忘れられていくだけのモノと化す。

1番失いたくなかった人は、

一瞬で俺の前から消えてしまった。

 

まあでも、今が楽しいから

結果はこれで良かったのだと思う。

高校で新しいコミュニティを作れたのも

その友人達と今も連絡を取り合うのも

全部、今の選択をしてきたおかげだから。

 

 

 

俺は今とても幸せだし

優しくて面白くて泣き虫なわんこと

生活する日々が楽しくて温かくてだいすき。

だから、この日々を失いたくないから

“許す強さ”を身につけた。

喧嘩しても相手を許す、

粗相をしても相手を許す、

間違えてしまっても相手を許す。

もちろんそれは

しっかり怒った上で、だけど。

目を瞑っていられる失敗は、全て許す。

根に持たない 意地を張らない 傷つけない。

ただそれだけを胸に生きている。

言い方が回りくどくても、

なかなか自分の意思で決められなくても、

たまに予定管理しっぱいしても、

お土産勝手に食べても、

そんなことくらいじゃ俺の目は開かない。

 

昔は彼氏より友達だろ、って本気で思ってた。

でも最近“1人”を失うという意味では

友達より彼氏を守りたい、と。

そう思ってしまう。

素敵な人に出会ったな  と思う。

友達上がりだから 尚更なんだけれども。

 

だから、このわんこにだけは

いつまでも目を瞑っていたいと

思うわけですね、自分のためにも。