ざしを しれる ばしょ

普段語られないざしの、一部

俺が思ってた以上に、

皆は 案外何も考えて無かった。

否、俺が考えすぎなのは

もちろんその通りだし自覚はある。

 

好きな人達と遊びに行く時に

全ての金(札・小銭)を財布に忍ばせて

5000円札しかない💦」

って事態にも早急に対応出来るように

準備してる奴なんて まぁ珍しいだろうし、

メニューを見て悩む相手に合わせて

「え〜俺もめっちゃ悩むどうしよ〜」

と 悩むフリをする奴も中々だと思う。

後輩・同期・先輩 関係なく

好きな相手には 割とガチで気を配るし

相手に【心地良さ】を憶えてもらうため

できる限りの最善を尽くす。

…という話を少しすると

「すごい、そんなに考えてるなんて」

「本当にしっかりしてるんだね」

と 拍手を貰うほどに感心された。

 

そりゃあそうなんだよ。

僕は人が好きだから、好きな人には

自分のできる限りのことをしたいんだよ。

そして僕のことをずっと好きでいて欲しい。

なるべく長く、大きく、愛して欲しい。

 

何故、こんなに人が好きなのか。

無駄なこだわりがあって、

無駄に執着するのか。

何故、並々ならぬこだわりを持って

人と接するようになってしまったのか。

 

まだ純粋だった中学3年生の頃。

世界で1番大切で、

同じクラブ・同じ部活に入って、

登下校は必ず一緒にして、

「一生仲良しのまま暮らすんだ」

と本気で想っていた 大好きな女の子に

「一緒に居ると疲れる。

 ずっと 志に合わせて生きてきたけど

 正直 もう限界だし 一緒に居れない」

と メールで伝えられた。

突然すぎる出来事だった。

生涯輝くはずだった僕達の9年間の思い出が

一瞬で粉々になって、目の前から消えた。

 

問題なんて何一つなく、

ただひたすら順調に、

滞りなく回っていると思っていた歯車が

急に錆び付いて動かなくなってしまった。

 

いや、

「順調だ」という誤認を僕だけがしていた。

15年生きた人生で、

初めて 孤独を噛み潰した。

 

そこから 人一倍、いや、人二倍

「好きな人に愛想つかされたくない」

と思うようになった。

愛されたい、好きでいて欲しい、信じて欲しい

なんて 受け身の体勢ばかりを取っていては

同じことを一生繰り返してしまう気がして、

相手に尽くし、先に相手を慈しむ事を覚えた。

思っている事は必ず口に出して伝え、

口に出した以上は これまた必ず

行動で表す事を 一切怠らなかった。

 

高校3年間で出会った

「失いたくない」と思える人達とは

その高校を卒業した今でも

非常に仲良くしていて、

良好な関係を築き続けている。

相手もまた、僕と同じように

聞き飽きるくらいに「好き」と伝えてくれ、

呆れるほどに行動で示してくれる。

でも実際に聞き飽きたり、呆れたりはしない。

 

僕が思ってた以上に、

僕は 人に愛されたかった。