ざしを しれる ばしょ

普段語られないざしの、一部

なりたくない人を、

常に意識して生きてきた。

 

お金にだらしなくて、

すぐ酒に溺れて粗相して人に迷惑かけて、

時間にルーズで、

仕事できなくて、

要領・効率が悪くて、

すぐ泣いたり縋ったりして、

自分の意思が弱くて、

物事の多様性を理解できなくて、

多角的視野を持ち合わせてなくて、

直ぐに体調を崩すような女には

絶対に、絶対に、なりたくない。

 

そう思って生きてきたの、ずっと。

だから とっても強い人になってしまった。

きっと仕事さえしてれば1人で生きていける。

ストイックに、自分勝手に生きていける。

 

ちゃんと貯金をして、

限度を守ってお酒をたしなんで、

時間厳守で動いて、

仕事は(同じ土俵の)誰よりも出来て、

要領も効率も良くて、

人前では泣かないし弱音も吐かなくて、

胸張って自分の意見を言えて、

想像力を膨らませつつ物事を理解して、

数多の可能性を考慮して、

風邪すらひかない、強い女になった。

 

ちゃんと、ちゃんと、

思い描いた女になったよ。

自分のせいで人に迷惑かけたくないし、

社会的弱者に手を差し伸べられる

心の強いひとになったんだよ。

自分が思い描いた自分になれた。

こんな素敵なことある?

あとは何不自由なく暮らせる大金を

身を粉にして稼ぐだけ。

大好きな人と、大好きな人と自分の半分を

幸せにするために生きるだけ。