ざしを しれる ばしょ

普段語られないざしの、一部

いつだって、

自分はマジョリティであることを

疑っていない人間が、怖い。

 

たまに、皆の「あたりまえ」が怖く感じる。

子供が欲しい と零す知人に

「じゃあ、ブライダルチェックしなきゃね〜」

と言うと「なにそれ」って。

「自分と相手が子供を作れる身体かどうか

 チェックしてもらうことだよ」

と教えても「必要ある?」って。

 

自分と、自分の彼氏(旦那)が

当たり前に子作りができる身体だと

信じて疑う素振りすらしない所が

怖くて、気持ち悪い。

自分がマイノリティになるなんて

微塵も想定していない、その考えが、

本当に怖すぎるし シンプルに引く。

 

なにも、

「子供が欲しいとか言っておいて

ブライダルチェックも知らないの?

無知じゃん!ありえない!」

という事が言いたいわけじゃない。

まだまだ認知度が低いし、

それ自体を知らないのも無理は無い。

 

ただ、その存在を知ったときに

「(自分は子供産めるし)必要ない」

と 瞬時に思える、その、思考が、凄い。

僕には無理だ。

小学生の頃からお母さんになりたい僕は、

今でも自分が母親になれる資格があるのか

不安で不安で堪らない。

身体は丈夫だが、“正常”かは分からない。

 

今の彼と結婚することになるなら、

大学卒業前に 2人で

ブライダルチェックを受ける。

有無を言わさず、受けさせる。

僕と生きるということは

僕と自分の半分を愛おしく思う未来を

見据えて頂く必要がある。

…と、ここまで考えてる人間が

逆に珍しいのも、分かっている。

 

分かっているけど、

ノープランで思い込みだけで生きている

無様な人間にはなりたくないんだよ。

 

一途な奴が馬鹿を見る、

そんな世の中を再度実感した。

 

悲しい世界だな、と思った。

 

もう二度と

他人を過信しないと

そう、思って、また泣いた。

 

また、疑う人が増えた。

 

また、心の負荷も増えた。

 

より一層生きづらくなったこの世界を

生き抜くための強さが、

やっぱり僕には必要だった。

 

笑いながら疑って、

「好きだよ」と言いながら疑って、

怒りながらまた思い出して、

楽しい時間の片隅には

いつも悲しみが見え隠れして、

この世界で 僕だけが、

この気持ちを味わって、

この気持ちに支配されて、

一生付きまとわれる。

 

そりゃあね、性格だって ひん曲がるよ。

生ゴミみたいな汚い心が育つよ。

こんなことの、繰り返しなんだもん。

 

お金だけは、僕を裏切らない。

「仕事ばっかり、」と嘆く君のせいで

また、仕事が辞められなくなる。

 

なりたくない人を、

常に意識して生きてきた。

 

お金にだらしなくて、

すぐ酒に溺れて粗相して人に迷惑かけて、

時間にルーズで、

仕事できなくて、

要領・効率が悪くて、

すぐ泣いたり縋ったりして、

自分の意思が弱くて、

物事の多様性を理解できなくて、

多角的視野を持ち合わせてなくて、

直ぐに体調を崩すような女には

絶対に、絶対に、なりたくない。

 

そう思って生きてきたの、ずっと。

だから とっても強い人になってしまった。

きっと仕事さえしてれば1人で生きていける。

ストイックに、自分勝手に生きていける。

 

ちゃんと貯金をして、

限度を守ってお酒をたしなんで、

時間厳守で動いて、

仕事は(同じ土俵の)誰よりも出来て、

要領も効率も良くて、

人前では泣かないし弱音も吐かなくて、

胸張って自分の意見を言えて、

想像力を膨らませつつ物事を理解して、

数多の可能性を考慮して、

風邪すらひかない、強い女になった。

 

ちゃんと、ちゃんと、

思い描いた女になったよ。

自分のせいで人に迷惑かけたくないし、

社会的弱者に手を差し伸べられる

心の強いひとになったんだよ。

自分が思い描いた自分になれた。

こんな素敵なことある?

あとは何不自由なく暮らせる大金を

身を粉にして稼ぐだけ。

大好きな人と、大好きな人と自分の半分を

幸せにするために生きるだけ。

 

 

俺にとって、

サークルはオプションに過ぎない。

生活する上で、サークルの優先順位は最底辺。

1に仕事、2に対人関係、3に学業。

その下にサークルがある。

1と2は相互関係に値するので

同率1位と言っても過言ではない。

 

サークルのために仕事は休めないけど

仕事のためならサークルを休める。

(但し 先約はもちろん優先する)

 

そういう人間でも

「サークルって心地いいな、すきだな」

って思えるんだから ある意味

あのアカペラサークルはすげぇよな。

適度にやるからこそ、愛着が湧く。

自分の確立した居場所がある、という事実は

ここまで人の心を温かくするんだなぁ。

例え大学を中退しても、

サークルには居続けたいな なんて。

 

本当はもっとサークルに貢献しても

いいなぁとは思うけど、

仕事に余裕が生まれない限りは無理。

自分の将来の就職先で働いている分、

背負わされているものも大きいし重い。

人員確保、人員育成、シフト貢献、店内規則の設立、店内掲示板の提案及び書き換え、顧客満足度の維持及び向上、新規顧客の増加、会員(リピーター)の獲得、必要資格の取得…等

それを、学生の身分である俺が背負ってる。

「なんで今の俺が、こんなことを?」

と思うことも しょっちゅうある。

でもそれは 店の現状を

どこか他人事だと感じている自分のせい。

 

今、頑張った分は

必ず、数年後目に見える形で返ってくる。

例えば飲み放題の際の

「おかわりはグラス交換」というルールを

厳しく取り締まること。

これを徹底して続けることで、

このルールが「当然」になり

数年後、よりスムーズに事を進められる。

客質の向上とも言える。

 

7年後には俺と弟、2人で店を営む。

俺もまだ 自覚は浅い。

正直、誰かに雇われて働きたいし

働いた分はしっかり給料が欲しい。

時給制度で働きたくもある。

まだまだ考えが学生だな、と痛感する。

でも 正直、子供ができたら仕事は控えるし

父が思うほど熱意があるわけじゃない。

 

こういうことを考え出すと

頭が固まるように、痛くなる。

サークル員と疎遠にはなりたくないし、

サークル内で浮きたくないし、

成績もしっかり納めたいし、

GAP3以下の人間になんてなりたくないし、

友人とは良好な関係を築きたいし、

「ざし、変わったな」とか思われたくない。

 

もちろん、彼氏に

「仕事ばっかりで嫌」って愛想つかされるのも

絶対に、絶対に、避けたい。

仕事に関して理解がある人だと感じてるから

結婚するならこの人かな、と思ってるけど。

寂しさを感じさせないためにも、

普段接する時の態度とか

気持ちの表明とかには十分気をつけたい。

 

早く卒業して

もう、仕事のことしか考えられなくなりたい。

色んな方向に注意を向けるの

本当に、本当に、疲れるの。

5年前は、

確かに「贅沢だ」と感じていたスタバが

まさか「時間潰し」のための手段になるとは。

 

そんな頻繁には飲めないけど

バイト頑張ったし 勉強もしてるし

今日くらい飲んでもいいよね、から

バスの出発時間まであと30分あるし

とりあえずスタバ行こ、に変わった。

この目に見える経済力の変化は大きい。

人生をより豊かにしてくれる鍵となる。

 

人生、いかなる時も必ず金が一番大事

とまでは流石に思ってないけれど

お金って 本当に大切なもの。

持ってるに超したことないし、

お金があれば回避出来る

【嫌なこと】なんて山ほどある。

例えば、「肌が汚い」から始まるいじめとか

iPhone持ってない」から始まるハブりとか。

んなもん金さえあればどうにでもなる。

大金を積んで最先端の治療を受けたらいいし、

いつだって最新の端末を持てばいい。

金があるなら。

 

生きていく上で大切な【人脈】と【経済力】

大学に入ってからの この3年間で

確実に、確実に、大きく拡がっている。

僕が望んだ通りになっている。

 

そして、

「人脈の拡張」と「多角的視野の獲得」を掲げて

大学に足を踏み入れた3年前。

大丈夫かな、ちゃんと出来るかな、

と 不安に苛まれていた あの頃の僕へ。

 

大丈夫、やっぱり僕は

強くて 優しくて 真面目ないい子だよ。

 

折角だから 次は秋の新作を飲もう。

俺が思ってた以上に、

皆は 案外何も考えて無かった。

否、俺が考えすぎなのは

もちろんその通りだし自覚はある。

 

好きな人達と遊びに行く時に

全ての金(札・小銭)を財布に忍ばせて

5000円札しかない💦」

って事態にも早急に対応出来るように

準備してる奴なんて まぁ珍しいだろうし、

メニューを見て悩む相手に合わせて

「え〜俺もめっちゃ悩むどうしよ〜」

と 悩むフリをする奴も中々だと思う。

後輩・同期・先輩 関係なく

好きな相手には 割とガチで気を配るし

相手に【心地良さ】を憶えてもらうため

できる限りの最善を尽くす。

…という話を少しすると

「すごい、そんなに考えてるなんて」

「本当にしっかりしてるんだね」

と 拍手を貰うほどに感心された。

 

そりゃあそうなんだよ。

僕は人が好きだから、好きな人には

自分のできる限りのことをしたいんだよ。

そして僕のことをずっと好きでいて欲しい。

なるべく長く、大きく、愛して欲しい。

 

何故、こんなに人が好きなのか。

無駄なこだわりがあって、

無駄に執着するのか。

何故、並々ならぬこだわりを持って

人と接するようになってしまったのか。

 

まだ純粋だった中学3年生の頃。

世界で1番大切で、

同じクラブ・同じ部活に入って、

登下校は必ず一緒にして、

「一生仲良しのまま暮らすんだ」

と本気で想っていた 大好きな女の子に

「一緒に居ると疲れる。

 ずっと 志に合わせて生きてきたけど

 正直 もう限界だし 一緒に居れない」

と メールで伝えられた。

突然すぎる出来事だった。

生涯輝くはずだった僕達の9年間の思い出が

一瞬で粉々になって、目の前から消えた。

 

問題なんて何一つなく、

ただひたすら順調に、

滞りなく回っていると思っていた歯車が

急に錆び付いて動かなくなってしまった。

 

いや、

「順調だ」という誤認を僕だけがしていた。

15年生きた人生で、

初めて 孤独を噛み潰した。

 

そこから 人一倍、いや、人二倍

「好きな人に愛想つかされたくない」

と思うようになった。

愛されたい、好きでいて欲しい、信じて欲しい

なんて 受け身の体勢ばかりを取っていては

同じことを一生繰り返してしまう気がして、

相手に尽くし、先に相手を慈しむ事を覚えた。

思っている事は必ず口に出して伝え、

口に出した以上は これまた必ず

行動で表す事を 一切怠らなかった。

 

高校3年間で出会った

「失いたくない」と思える人達とは

その高校を卒業した今でも

非常に仲良くしていて、

良好な関係を築き続けている。

相手もまた、僕と同じように

聞き飽きるくらいに「好き」と伝えてくれ、

呆れるほどに行動で示してくれる。

でも実際に聞き飽きたり、呆れたりはしない。

 

僕が思ってた以上に、

僕は 人に愛されたかった。

 

やっぱり僕は、

僕を慕ってくれる可愛い後輩が好きだ。

 

今日、8年ぶりくらいに会った

かつての後輩が愛おしすぎて

狂うかと思った、本当に。

例の如く彼女は2個下。

僕は2個下にめっぽう弱い。

そもそも彼女の場合は

後輩というか、家族のような存在。

 

出会いたての彼女のポジションは

同級生の友達の妹、という

なんとも絶妙かつ微妙な位置付け。

遠慮は無いが、気は使う。

結構喋るが、信頼は薄い。

そこから始まった僕達の友情。

初めの頃は 友人と妹と僕、3人でよく遊んだ。

そこから徐々に仲良くなって

友人を介さなくても平気で喋れるようになり、

2人だけの話をすることも増え、

どんどん波長が合っていくのを肌で感じた。

 

共働きの僕の両親の代わりに

友人の母はほぼ毎日お昼ご飯を用意してくれ、

長期休み中は特に家にお邪魔することが多く、

お泊まりも結構な頻度でしていた。

そのため、相手の家族は

本当の家族同様に接してくれた。

僕も僕で洗濯物を畳んだり

部屋を片したり、おつかいに行ったり

家族への貢献は欠かさなかった。

 

そんな、過去がある僕と彼女。

出会いたては「友人の妹」だった彼女と、

本日「気の合う友人」として出かけた。

そう、8年ぶりに。

 

僕がHIPHOP好きの大学生なら

きっと、迷わず「エモい」と零している。

二人の関係は変わっていないのに

彼女を表す表現だけが変わる、なんて

さぞかし「エモい」んだろうなぁ。

8年前、「新発売のお菓子食べた?」と

口を開いた彼女が

「結局生きるには金いるしな」

「多分女出来たからやけど、元彼にフラれた」

「5限ある日は帰ってくんの19時とかやしな」

と、僕の目を見て話すんだよ。

気づけば大学生になっていた彼女が

僕の目の前で、僕を見て、話すの。

まるで 最初から友達だったみたいな、

そんな感覚が押し寄せてきて

嬉しくて嬉しくてでもどこか寂しくて

力いっぱい抱きしめたくなった。

 

昔は「遊んであげなきゃ」

「一緒に連れてってあげなきゃ」

って、一生懸命お姉さんしてた部分が

多少なりともあったんだけど、

今日はそれが一切なかった。

気を使うことも、距離を感じることも。

 

でも一応歳上だから、食事代は出した。

そしたら、彼女

「えぇ、そんな、いいって…

払って貰えるなんて思わんかった

…いいの?ありがとう。

それならもっと安いの食べたらよかった…」

って言うんだよ。

ああ、僕の目の前にいるこの女性は

なんて愛らしいんだ。

このまま抱き潰して閉じ込めたい、と

何度も何度も思った。

可愛いは罪、とは良く言ったものだ。

 

そして、次に入ったカフェで

彼女は当たり前のように全額支払った。

「あ、レシート要らないです」

なんて、一丁前に言ってみせるの。

彼女は常識のある、気の利く、いい女。

自分もバイトしてるしちゃんとお金はある、

という彼女なりの意思表示だと思うと

本当に全てが愛おしくなった。

そんな彼女の意思を踏み躙る訳にはいかず

「ご馳走様、ありがとう」

と あっさり身を引くのもまた僕の良さ。

 

僕のインスタのストーリー見るなり

(久々に会うからおめかしちゃうわ、のやつ)

「え?これ 私の事?」

と聞いてくるので

「そうだよ、久々に会うからね」

と答えると

「は〜〜〜〜泣いていい?」

と、笑みを隠しきれずに訊ねてきた。

喜んでいるその顔が、可愛くて可愛くて

思わず大笑いしてしまった僕に

「泣いていい?って聞・い・て・ん・の!」

と ふざけてみせる彼女が

心の底から愛おしくて、失いたくなくて

ちょっとだけ 泣きそうになった。